海外で子育てをしていると、「日本の教育の良さ」を改めて実感する瞬間がありませんか?最近、そんな海外在住の日本人ママたちの間で、日本の伝統的な習い事である「そろばん」が持つ魅力と驚きの効果に再び注目が集まっています。
デジタル全盛の今だからこそ、アナログなそろばんの人気が再燃しているのには理由があります。この記事では、海外で暮らす日本人ママに向けて、そろばんの人気の秘密から、気になる効果、海外での始め方まで、実用的な情報を分かりやすく解説します。
なぜ今、海外で「そろばん」が注目されているの?
かつて「読み書きそろばん」が必須とされた日本。電卓やPCの普及で一度は影を潜めたそろばんですが、今、その教育的価値が世界中で見直されています。
人気の理由は、単なる計算道具としてではなく、子どもの脳の発達に良い影響を与えるツールとして認識され始めたからです。実際に、アメリカやヨーロッパ諸国、インドなど世界数十カ国で日本のそろばんが「SOROBAN」として普及しています。
特に、そろばん学習が右脳の活性化に繋がるという点に強い関心が寄せられています。学校教育では言語や論理を司る「左脳」を主に使いますが、そろばんはイメージやひらめきを司る「右脳」を効果的に刺激します。この右脳と左脳をバランスよく鍛える効果が、海外の教育熱心な保護者たちの間で人気の秘密となっているのです。

そろばんは単なる計算道具じゃない!身につく5つの力
そろばんの本当の魅力は、計算が速くなるだけではありません。子どもの将来に役立つ、さまざまな「生きる力」を育む効果が期待できます。
① 数字に強くなる!算数・数学への苦手意識を克服
そろばんを習う最大のメリットは、やはり計算力が飛躍的に向上することです。珠を指で弾きながら視覚的に数を捉えるため、数字の概念が自然と身につきます。
やがて、頭の中にそろばんをイメージして計算する「珠算式暗算」が習得できると、複雑な計算もスピーディーかつ正確にこなせるようになります。この成功体験が「算数が得意!」という自信に繋がり、数学への苦手意識をなくすきっかけになります。
② 集中力が続く子になる!学習姿勢の土台作り
そろばんの練習では、制限時間内に正確に答えを出すことが求められます。この過程で、一点に意識を向ける高い集中力が養われます。
- 指先を使い
- 珠の音を聞き
- 目で盤面を追う
この一連の動作は、感覚を研ぎ澄ませる絶好のトレーニングになります。最初は落ち着きがなかった子も、次第に椅子に座って課題に取り組めるようになるケースが多く見られます。ここで培われた集中力は、他の教科の学習や、将来仕事をする上でも大きな武器となるでしょう。
③ 記憶力がアップする!脳の働きを活性化
そろばん、特に珠算式暗算は「右脳」を活発に使うため、記憶力の向上に効果があると言われています。
一般的な暗記が言語的な左脳を使うのに対し、珠算式暗算では数字を珠の配置パターン(イメージ)として右脳で記憶します。このイメージ記憶は、忘れにくく、長期間保持されやすいのが特徴です。このトレーニングを繰り返すことで、記憶のキャパシティそのものを大きくする効果が期待できます。
④ 情報処理能力が向上!的確な判断力を養う
そろばん学習は、目や耳から入ってきた数字の情報を、指を使って素早く処理するトレーニングです。このインプットとアウトプットの繰り返しにより、情報を早く正確に処理する能力が格段に向上します。
現代は情報過多の時代。膨大な情報の中から必要なものを選び出し、素早く的確に判断する力は、これからの社会を生き抜く上で不可欠なスキルと言えるでしょう。
⑤ 忍耐力と自己肯定感を育む
そろばんの上達に近道はありません。級が上がるにつれて難しくなる課題に対し、毎日コツコツと練習を積み重ねる地道な努力が求められます。
目標に向かって努力し、時には失敗やつまずきを経験しながらも、それを乗り越えて合格を勝ち取る。このプロセスが、困難なことにも立ち向かう「忍耐力」と、「やればできる」という「自己肯定感」を力強く育むのです。
海外でも大丈夫!そろばんを習う3つの方法
「海外にいるから」と諦める必要はありません。今は便利な方法がたくさんあります。
① オンラインそろばん教室を活用する
現在、海外在住者向けに、時差を考慮してレッスンを提供してくれるオンラインそろばん教室が増えています。Zoomなどのビデオ通話アプリを使い、日本の先生から直接指導を受けられるのが最大の魅力です。少人数制で丁寧に見てくれる教室や、無料体験レッスンを実施しているところも多いので、気軽に試してみてはいかがでしょうか。
特におすすめはオンライン日本語コスモスの丘補習校のそろばん教室。
講師は海外在住でハーフキッズに教える経験が豊富です。そのため、お子様に合わせた丁寧な日本語指導でそろばんも教えてくれます。全世界の時差に対応していることも魅力的ですよね。
② 日本から教材を取り寄せて親子で学ぶ
市販の教材やドリルを日本から取り寄せて、ママやパパが先生役となって教える方法です。自分のペースで進められるのがメリット。YouTubeなどにも教え方の動画がたくさんあるので、参考にすると良いでしょう。親子で一緒に取り組む時間が、素敵なコミュニケーションの機会にもなります。
③ 現地の日本人コミュニティや塾を探す
日本人が多く住む地域では、日本人会や現地の塾がそろばん教室を開いている場合があります。同じ環境の友達と一緒に学べるので、子どものモチベーション維持にも繋がります。地域の情報誌やオンラインの掲示板などで探してみましょう。
まとめ:そろばんは、世界で活躍する子どものための「未来への投資」

そろばんは、単に計算力を高めるだけでなく、集中力、記憶力、情報処理能力、そして忍耐力といった、これからのグローバル社会で生き抜くために不可欠な力を総合的に育むことができる、非常に優れた教育ツールです。
デジタル化が加速する時代だからこそ、自分の頭で考え、指先を使って答えを導き出すそろばんの価値は、ますます高まっています。
海外という環境で子育てをする中で、日本の伝統的な教育の素晴らしさを、そろばんを通して子どもに伝えてみてはいかがでしょうか。それはきっと、お子さんの未来を豊かにする、最高の「投資」になるはずです。
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